これは世界ランク富豪投資家が用いる資金マネジメント手法として有名なケリーの公式を用い、資金に合わせた最適な投資サイズと利益率を自動計算する計算機。
目次
ケリーの公式とは?
米国の科学者ジョン・ラリー・ケリー・ジュニア(1923-1965)が導いた公式。ケリーは、ギャンブルや投資などの不確実性のあるゲームにおいて、収益を最大化する資金配分量を求める基準を定めた。その算出には複雑な計算が必要だが、ケリーは最適化される資金配分(オプティマルf)を、簡単に求めることが出来る公式に表わした。
公式
f*=[(R+1)P-1]/R
それぞれの要素は
- f*・・・optimal f(最適化されたf、fはfraction of current bankroll to bet:手持ちの資金の中からベットする割合)
- R・・・pay off ratio(ペイオフレシオ、利益損失割合、勝ちゲームの利益平均額を負けゲーム損失平均額で割った数値)
- P・・・probability of winning(勝率)
理論構成
一定のリスクリワードと勝率の仮定の下でゲームを繰り返した場合、総資金のうちの投資する割合と得られた総利益の関係は、下のような放物線を描く。
この放物線の最大利益ポイントを微分し、利率g(f)の最大値を得られる投下資金割合f*を求めるツールとすべく数式に変換したものが、ケリーの公式。
ケリーの公式に基づいて資金運用すると、複利の効果が最大限得られる。ほかにも彼はブラックジャックやルーレットの攻略法を研究したようだが、カジノで実践はやらなかったらしい。
投資家ウォーレン・バフェット氏も、投下資金サイズを求める根拠にケリーの公式を用いることで有名。
攻略のヒント
このようにスバらしい数式なのだけれども、扱い方によってはまったく意味がなかったりする。
この公式自体が、曲線グラフの「一部分」を切り取るという「微分」手法で導かれている。計算に用いたリスクリワードと勝率が今後も安定していなければ、理論上の効果は得られない。例えば間違った使い方をすると、1分足のチャートにトレンドラインを引いて方向性を読んでおきながら1日単位のトレードをしたような、当ての外れる結果となる。
よってスロットの1スピンごとの結果など分散の激しい超短期のデータに対してこの公式を当てはめても、まったく意味はない。
実際の使い方としては、計算された資金量をフルに賭けるよりも、半額を賭けたほうがよい(控え目ケリー)という意見もあるが、分散の激しいトレードやカジノゲームだとさらに控え目に、プレイごとの資金量、1日とか1勝負単位の資金量を求めるもの(部分ケリー)、と考えたほうが良いと思う。
計算機と使い方
使い方:
- 対象のゲームで一定期間勝ち負けと金額のデータ取りを行う。
- 得られたデータから勝ちゲームでの利益平均額、負けゲームでの損失平均額、勝率を求める。
- 入力欄に現在の資金総額および利益平均額と損失平均額、勝率(小数単位、最大1)を入力、計算結果を確認。
- 得られたベット割合(金額)を使って、ベットを繰り返す。
計算機
ケリー基準で最適化された投資割合f*と、利率g(f*)を求める。