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目次
その隙に国会で共謀罪法案が!
時期的にやらせ臭いが、オモテのニュースだけなぞっても、事の真相は掴めない。この共謀罪法案、正式には「組織犯罪処罰法改正案」といいます。
ネットでは、テロに限らず向こうの判断で疑わしいと思えるもの全てを対象にする事で、「ヤバいんじゃないの?」と話題に。
なぜこのような法案が日本に必要になったか、という背景について調べると
国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約
というのがある。正式名は Convention against Transnational Organized Crime 略してTOC条約。
国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(こくさいてきなそしきはんざいのぼうしにかんするこくさいれんごうじょうやく、英:Convention against Transnational Organized Crime)は、組織的な犯罪集団への参加・共謀や犯罪収益の洗浄(マネー・ローンダリング)・司法妨害・腐敗(公務員による汚職)等の処罰、およびそれらへの対処措置などについて定める国際条約である。略称は国際組織犯罪防止条約。TOC条約[1][2]、パレルモ条約とも[3][2]。
本体条約のほか、「人身取引」に関する議定書、「密入国」に関する議定書 、「銃器」に関する議定書の、三議定書がある(正式名称は下記。)。2000年11月15日、国際連合総会において採択された。2016年10月現在、署名国は147、締約国は187[4]。
これに日本も参加するため。
TOC条約は犯罪組織だけでなく公務員(官僚)も対象。なので「おぬしも悪よのう!」的な官僚と海外ネオコン派とか、官僚と民間企業の悪だくみも、アウト。つまり
官僚でも政治家でもない僕ら個人には関係のないこと
なのですね。
次、
賭博罪とカジノ解禁論の欺瞞
日本の刑法の賭博罪というのはそもそも明治時代、明治天皇の「賭博の一切を禁止する」という目的をもって法案が作成され、明治40年に公布されてます。
*刑法抜粋
第二編罪
第二十三章賭博及び富くじに関する罪
(賭博)
第百八十五条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第百八十六条 常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
これが当時のまま、「博徒」などという古めかしい言葉を含んで、現在に受け継がれてる訳です。
第二次大戦後、行政の収入源として競馬や競艇の公営ギャンブルが営まれるようになり、風営法の規制の下、民間では市民の娯楽としてパチンコ店が運営されるようになりました。しかもリアルに換金できる。
つまり
根本的なところにメスを入れないまま理屈をこねくり回し、運用だけを変えちゃった。
今更ギャンブル好きな一般ピープルに「賭博は禁止!」と言ったところで、とっくの昔から賭博だらけで世の中が回ってる。
パチンコは北朝鮮に資金が流れてると指摘されていますが、最近のパチンコへの規制強化の裏には、時代背景としてパチンコで北朝鮮へ資金を融通する必要が無くなったのかな?と思います。
話を戻して刑法を成立させたときの「賭博を一切禁止する」という考え方、何を目的にそうしたのかな?というと、最高裁の判例では
国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風(憲法二七条一項参照)を害するばかりでなく、甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらあるのである。
とあります。(ちなみにこの判決文、全文読むと、最後の方で面白いこと言ってます)
つまり、勤労の美風を損ねると。(この「勤労の美風」なる概念、とんでもない曲者です。憲法を読んでよく考えてみて下さい)
実はこれってイスラム教的な考え方。
なんでかというと、イスラム教では賭博は禁止だし、同時に銀行は金利を付けない。なので、銀行やFXでイスラム教徒を対象にしたイスラム口座というのがあります。イスラム圏でお金を貸す際は、利息を付けもダメ。
イスラム教の経典コーラン
は、大天使ジブリールがマホメットに口述筆記させたと伝えられる。大天使が仰るには「金利を取るのは罪!」「賭博も、人間にとって良いこともあるが、罪だ!」と。なぜそういう見解になったかというと、歴史上の事実があるのですが、それは横に置いといて
このジブリールさん、実はキリスト教でイエスの母マリアが妊娠したときに「汝は神の子を身籠ったゾ!」と伝えてくれた大天使ガブリエルと同一人物。
なんで誰の子か知ってるのか?イエスが「父が言っている」という「父」は誰なのか?マリアの夫のヨセフじゃないよね?という疑問も横に置いておいて、
事実として、同じガブリエルさんが関わっているキリスト教圏の西洋では、ギャンブルはオッケーだし、金利もオッケーとなっています。
以前、ギャンブルと金融、金利(利息)とテラ銭は親戚だ、という記事を書きました。
どっちか選んでスジを通すなら、賭博を禁止するなら金利(利息)を取っちゃいけないし、逆に金利を取るなら賭博を正式に解禁するべき。
明治政府はなぜイスラム的な思想を法に取り入れたのか?借金の利息も「勤労の美風」を損ねるんじゃねーの?という疑問。
一方、今の日本は欧米のマネしようという流れだから、あれやこれやの手で一般ピープルを騙しながらも、賭博は民間ビジネスとして解放されるだろう。
ところで、カジノ解禁をめざす政治家の集まりとして、「カジノ議連」なるものがあります。
このカジノ議連、要は海の向こうからの
「カジノを作りなさーい」
の声に、日本の政治家たちが応えて
カジノ解禁すると儲かるから
という理由で、党派を超えて結集。
苫米地英人さんがカジノの本を出版しようとしたとき、カジノ議連のメンバー表を付録に付けようとしたところ、出版社に圧力がかかって付録を外されたらしい。
政治家としてカジノ解禁を推進してるというのは、どうやら有権者に知られたくないようですね。
その背景は、明治時代からの「賭博は罪」という思考から。罪の定義から罪悪感が生まれると、何かで覆い隠したくなる。
ところで賭博が罪という認識を彼らが持ってんなら・・・これって共謀罪にならないの?
で、結論です。
今後の日本が取りうるオプションとして、スジを通すなら
- 明治政府の思想を採用して賭博を罪とするなら、併せて金利(利息)を全廃すべき
- 金利(利息)を残すなら、賭博全般を解禁すべし
海の向こうの要請として、前者のオプションはあり得ないでしょう。
しかしカジノ解禁すると「依存症対策ガー!」という問題が残る。日本では、不思議なことに、学校では「お金」や「投資」についての教育が一切行われない。なぜかといえば、勤労の美風=楽して稼ぐ事考えずに労働者になって税金収めろ!だから。
政府自ら「金利とはどういったものか?我々にどういう影響を及ぼすか?」といった教育を積極的に行うべきだし、さらに進めて行政がギャンブルや投資の「ストラテジー」を啓蒙しちゃえばいい。
さらにベーシックインカムを導入し、生活費の不安も無くしてしまう。いっそのこと、カジノに無利息・無期限・一身専属のキャッシングATMを置いちゃうとか。そうすればカジノで負けても生活費を取り返そうとムキになる必要が無いから、ギャンブル依存症そのものが無くなる。
それじゃあ儲からないって?
プリンシプルがないねぇ。
冒頭画像は白洲次郎「プリンシプルのない日本」 (新潮文庫) より