金融破たん、暴落相場でボロ儲け!自分一人だけほくそ笑みたいアナタのための、破たん兆候を掴み取るキーワード。債券、株、為替、商品、さて、どの順番で崩壊が起こるでしょうか??
目次
ベイルアウトからベイルイン、そして預金封鎖
銀行が破たんした時に公的資金(税金)を投入して助けるのがベイルアウト。従来はこのやり方で、潰すに潰せない銀行を救済。
一方、
銀行の自己資金で穴埋めさせるのが、ベイルイン
ここで自己資金とは、客の銀行預金も含まれる。僕らの預金がベイルインされると、引き出しが出来なくなり、勝手に債務の穴埋めに使われてしまう。
ギリシャ危機をはじめ、2016年からユーロ圏全域で、ベイルインが用いられる事になった。
つまり、銀行経営破たんのツケを国民全体に押し付けるか(ベイルアウト)その銀行の預金者に押し付けるか(ベイルイン)という違い
クレジット・デフォルト・スワップ - 危険なベッテイング
クレジット・デフォルト・スワップ(略してCDS)とは、デリバティブ商品(金融派生の店頭販売商品)の一種。
売り手が買い手の融資先の破たんに関する保険を売るもので、破たんしない限り保険金を受け取り、買い手融資先の破たんが実現した時は売り手が買い手に融資額を支払う。買い手は融資先の貸し倒れリスクを回避することが出来、売り手は決められた日に毎回保険料を受け取ることが出来る。
要は破たんにオッズを付けた保険料を受け取るベッテイング。融資先の信用が低いと毎回もらえる保険料は高くなるし、信用のある企業相手なら保険料が低くなる。
問題は
世界中の国・金融機関・企業が相互に、気持ちよくスワッピング中
金融危機で連鎖倒産が起こると、売り手は保険金の支払不能に陥り、連鎖倒産が起こり、世界経済はエライ事になる。
リーマンショックの時はどうやって乗り切ったかというと、米日欧の順番でカチカチとお金をジャブジャブ問題先送り。
よって根本的な問題は何ひとつ解決されておらず、次は世界金融市場お終い確定!。
CDS商品には、ゼロ金利政策中の日本国債も含まれる。格付け下がったので、CDS国内のようにゼロではないが・・・
ジャンク債=ハイリスク借用証書
日本の年金資金が米国債・株式以外に、ジャンク債の買い支えにも使われている。
この傾向は日本に限らない。
ジャンク債とは?
あなたがゼロから会社を作るとして、資金の調達方法として大まかに2つ選択肢がある。
- ①あなたや共同経営者が出資し、株を発行する。(株式)
- ②誰かから借金し、借用証書を渡す。(社債)
ジャンク債は②の社債のうち、市場に出回るもので格付け信用機関の評価でBBランク以外のモノ。
社債は借金なので、期日がくれば利子を付けて返さなければならないが、格付けが低いという事は「信用ならん」ので、貸し倒れリスクが高い。
奇妙な相関関係
株は株式市場、社債は債券市場で取引される。世界の株式市場の総額は約30兆ドル、債券市場は100兆ドル(2012年)、取引額は、株式より債券市場の方が、遙に大きい。
株式と債券は逆相関の関係にあると言われる。景気が良くなれば、金利が上がる。が、債券は金利固定。景気が良くなると投資妙味が薄れ、株へと投資資金が移る。
ところが今は、奇妙な現象。
金利が低く抑えられる一方、信用の低い米国ジャンク債が金利上昇(リスクプレミアム金利)、この状態でジャンクで債の暴落起こると、続けて株が暴落。
ジャンク債が実体経済を反映?
株価の上昇を続けているが、実はジャンク債価格が米国経済の実態を示しており、株は買い支えされてるだけだという見方がある。
つまり、実体経済は相当悪い。
よって、ジャンク債の暴落が始まれば買い支えが到底追い付かず、連られて株も暴落すると考えられる。
参考:米国ジャンク債チャート
日銀のETF買い入れ、ドル円に影響?
ETFって何?
英語の”Exchange Traded Fund”を略したもの。直訳は「取引所で取引される投資信託」。
日本では日経平均、JPX日経400、米国ではNYダウなど株価指数に連動したもの、商品は金や、NYMEX原油に連動させたものもある。
特長として、ETFそのものが上場され、株のようにリアルタイムで価格変動し、市場で換金、売買できる。
よって、フツーの投資信託に比べて処分がしやすい。
日銀がやってること
日銀は2014年10月の金融政策決定会合でETFを、年間3兆円買い入れる事にした。従来の3倍規模。
さらに2016年8月より、6兆円に増額。1発あたり350億円から、1発700億円へ。
日銀が買うのは日経平均ETF。個人投資家不在の中、天下の日銀が買うから、個別株弱かろうが、グイグイチャートを押し上げる。
以下は日銀のリンク、直近の買い入れを確認出来る。
指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果
ドル円との相関
現在は円安ドル高時に株高(為替による相対的な数値上昇)でチャートの見た目上で相関関係だが、平成バブル時は見た目上逆相関、円高による資産購買欲で上昇した。
今後円高の中で株価上昇、資産バブルが起こったらどうなるか?ちなみに今の日銀と政府の体力からして、金利を上げることは出来ない。
ニッポンのマッチポンプ・ゼロ金利
かつては公定歩合というのがあって、日銀が金利を決めればそれで通用した。が、今は法律変わり、銀行が自由に貸し出す金利を決める。
今どうやってるのかというと、このようなやり方。
- 政府が予算決めて国債を銀行に売り出す。
- ”国債買う権利”を持った多くの銀行が「私喜んで買います!」と手を挙げるのですぐ完売。
- 日銀は毎年決められた金額分(今は確か7兆円)、国債を市場値より高く買い取る。
効果として
- 日銀が国債高く買えばそれで銀行は利益が出るので、金利が低くなる(金利低下)。
- 日銀が国債安く買えば銀行は損するので、金利を多く取るようになる(金利上昇)。
銀行は在民間の官僚みたいなものだから、半ば強制で”オモテムキ”喜んでこのシステムに乗る。(しかし昨年民間最大三菱UFJは、国債購入権を放棄)
日銀が直接国債をぜんぶ引き受ければハナシが早いが、財政ファイナンスとなるので違法。それに、今の状況で日銀が全部買い取るのは無理。なので銀行かまして迂回脱法行為で金利コントロール。
しかし日銀が買い取れるのは実際に債券市場で取引される国債のほんの一部でしかない。民間銀行が市場で取引する国債の総額は1700兆と言われる。(これは1債券につき1回取引ではない)
ニッポンの国債がどこかで「信用ならん!」と一斉に売られ、日銀が買い支えられなかったらどうなるか?「クレジット・デフォルト・スワップ」と政策金利のかい離は大丈夫か?
自由な市場にしっぺ返しされたらどうなるのか?
その時不自然なオッズに目をつけられ、切り崩されたらどうなるのか??(ジョージ・ソロスがポンド切り崩し、英国をデフォルトさせたように)
明らかなマッチポンプはいつまで持つのか?